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そのまぶたの重さ、実は病気かも!? 加齢だけじゃない!眼瞼下垂の本当の原因

「最近、まぶたが重い」「目が開けづらい」「額にシワが増えた気がする」――そんな違和感を感じていませんか?
鏡を見るたびに「老けて見える…」と感じたり、人から「疲れてる?」と聞かれたりすることが増えてきたなら、それは単なる加齢ではなく、“眼瞼下垂(がんけんかすい)”が関係しているかもしれません。

眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる筋肉や神経に問題が起こり、上まぶたが正常よりも下がってしまう状態を指します。実は、見た目だけでなく、視野の狭まり、目の疲れ、頭痛、肩こりなど、日常生活にさまざまな不調を引き起こすこともあるのです。

原因は「生まれつき」の場合もあれば、「年齢とともに」「病気やケガがきっかけで」など、実にさまざま。なかには、見た目が似ていても実際は“たるみ”や“眉の下がり”による「偽の眼瞼下垂」のケースもあり、正しい診断がとても大切です。

この記事では、眼瞼下垂の原因を、先天性(生まれつき)と、後天性(生まれつき以外のもの)に大きく分け、タイプ別にわかりやすく解説していきます。

「これって眼瞼下垂なのかな?」
「手術って必要なの?」
そんな不安を抱える方こそ、ぜひ最後まで読んでみてください。あなたの「目もと」の悩みを解消するヒントが、きっと見つかるはずです。

1. 先天性の原因とは?

先天性眼瞼下垂は、生まれつきまぶたを持ち上げる筋肉が正常に発達していないことで起こります。主に片側に発症し、幼少期からの視力発達にも影響するため、早期の診断と治療が重要です。


先天性眼瞼下垂の詳細

  • 発達異常が主な原因
     胎児期に「眼瞼挙筋」が十分に形成されないことが原因とされます。
     眼瞼挙筋とは、まぶたを持ち上げるための筋肉で、この機能が欠如または低下していると、まぶたが下がったままになります。
  • 発症率・データ
     厚生労働省の研究班の報告によると、先天性眼瞼下垂の発症頻度は新生児1,000人に1~2人程度とされ、比較的稀な疾患ですが、視機能発達に大きな影響を及ぼします。
  • 視力発達への影響
     まぶたで黒目が隠れてしまうと、「弱視」や「斜視」の原因になるため、機能的な問題としても見逃せません。

◆ 実例

ケース例:3歳男児(片側性先天性下垂)

  • 出生時から右まぶたが下がっていたが、様子見となっていた。
  • 3歳時の健診で視力低下が疑われ、眼科受診。
  • MRIで筋の発達異常を確認。
  • 視力保護のために、5歳で挙筋前転術を施行。
  • 術後、視野の改善とともに、左右対称な外観となった。

◆ まとめ

先天性の眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の未発達が主な原因で、早期発見・早期治療が視力の発達にとって非常に重要です。
乳幼児健診などで気づいた場合は、なるべく早く眼科での精査を受けましょう。


2. 後天性の原因とは?

後天性眼瞼下垂は、加齢や病気、手術、外傷など、成長後にまぶたを上げる機能が損なわれることで起こります。特に中高年以降に多く見られます。


後天性眼瞼下垂の分類

後天性眼瞼下垂はさらに以下のように分類されます:

分類原因例
腱膜性加齢・長期のコンタクト使用・手術後など
神経性動眼神経麻痺・ホルネル症候群など
筋原性重症筋無力症・筋ジストロフィーなど
機械性腫瘍・外傷・眼瞼のむくみなど
偽下垂皮膚のたるみ・眉の下垂など
  • 加齢性下垂:最も多く、「腱膜性眼瞼下垂」とも呼ばれ、挙筋腱膜が伸びたり外れたりすることで発症します。
  • 頻度・統計:日本形成外科学会の報告によると、眼瞼下垂症手術の約80%は後天性で、うち7割以上が加齢性腱膜性下垂です。

◆ 実例

ケース例:62歳女性(腱膜性下垂)

  • ここ数年でまぶたが重くなり、額にシワを寄せて見ていた。
  • 長年ハードコンタクトレンズを使用。
  • 額の疲労感、肩こり、見づらさを感じて受診。
  • MRI・視野検査のうえ、腱膜性と診断。
  • 日帰り挙筋前転術で改善。
  • 手術後は額の緊張がなくなり、日常生活の快適さが向上。

◆ まとめ

眼瞼下垂の原因は、生まれつきの筋肉の未発達(先天性)と、加齢・病気・外傷などによる後天性に分けられます。特に中高年では腱膜の緩みによる下垂が多く、視野の狭まりや見た目の変化で日常生活に支障をきたします。自己判断せず、原因に応じた治療を受けることが大切です。

  • 眼瞼下垂には「先天性」と「後天性」がある
  • 中高年に多いのは「腱膜性眼瞼下垂(後天性)」
  • 視力・視野・外見に影響し、放置はリスク
  • 原因によって治療法が異なるため、早期受診が重要
  • 偽下垂(たるみ)との区別も診断のポイント

Q&A

Q1:眼瞼下垂って年を取ると誰でもなるものですか?

🅰️ A:
必ずしも全員がなるわけではありませんが、加齢とともに「まぶたを持ち上げる筋肉や腱膜」がゆるんで起こる腱膜性眼瞼下垂は非常に多く、中高年での発症率が高まります。
特にハードコンタクトの長期使用者はリスクが上がるため注意が必要です。


Q2:先天性と後天性の違いはどうやって見分けるの?

🅰️ A:
先天性は生まれつきまぶたが下がっており、筋肉の発達異常が原因です。後天性は、成長後に加齢・病気・手術・外傷などが原因で発症します。診察では、発症時期・筋力・神経の状態などから区別されます。


Q3:まぶたが重いのは老化だけ?手術が必要?

🅰️ A:
「まぶたが重い=老化」と思いがちですが、眼瞼下垂や隠れた病気のサインかもしれません。見た目や視界の問題がある場合、放置せず眼科で診断を。多くは日帰り手術で改善が見込めます。


筆者情報

大阪Melia眼科まぶたのクリニック:院長 浅井 智子

専門:眼形成・逆まつ毛・眼瞼下垂

資格:眼科専門医(日本眼科学会認定)医学博士(大阪大学)

会員:日本眼形成再建外科学会会員日本眼科学会会員


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